句点は寂しかった。
だって…他の文字たちに比べて小さな身体だし、読んでもらえるような音が割り振られているわけでもない。
いわば文章を見やすく、読みやするする「記号」だ。
句点にも仲間が居ない訳ではない。一番近い仲間は読点だと思われているだろう。
が…句点は読点のことがあまり好きではなかった…それというのも、句点は他の文字に囲まれて楽しそうだからだ。身体は小さいが他の大きな文字達の中でもちゃんと自分を主張できている。形も何だか可愛らしい。
それに比べて自分はどうだろう?くるりと回り、自己完結して他を寄せ付けない形、
文章の最後の一枡でただ立ち尽くしているだけの存在…。
……寂しい。
最近では文字たちだけでなく読点や点とも口をきかなくなった。
もう…だれも相手をしてくれなくたっていいんだ…どうせ自分はみそっかすな存在なんだから…
そんな風に拗ねていた句点はある日一人の記号とであった。
いつもと同じように最後のますで拗ねていると、不意に枡の中に入ってくる記号の姿が見えた。
「おい!こんなところで何してるんだ」
「あ!句点さんだ!!良かった~!嬉しいなぁ!」
かぎ括弧のあまりの天然な様子に句点は気勢をそがれてあきれていると、かぎ括弧はのんびりした調子のまま言葉を続けた。
「あの有名な句点さんと同じますなんだ~~!!」
「有名??……//////」
句点は判っていた。
「有名」といわれたことよりもずっと、かぎ括弧の呑気な笑顔が暖かかったことを…。
「……お前はここにいていい…」
春の日差しみたいに微笑みかけてくるかぎ括弧の顔は眩しすぎて正面から見られなかったけど、言いたいことはちゃんと言えた。
句点は寂しいだけの気持ちが薄れていくのを感じていた。
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ヘタリアを買いました。
読解するのに意外とてこずりましたが、中に入り込んでしまうとあんなに面白いものはないわw
そう…世界の全ての事象は「BL」で変換できるんですよ!!
↑この回路をつなげてしまうと世界の全てがくまなく楽しめます。以前からそうは思っていたけどヘタリアのお陰で再度開眼した感じ(笑)
ヘタリア自体の個人的感想は…続きへw(あまり沢山はないですが…)
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